微細加工技術コラム
半導体製造装置の冷却用途に使用されるプラテンの製作における当社の特徴
半導体製造装置では、ウエハーやワークを安定して保持しながら、温度条件を適切に管理することが求められます。その中で重要な役割を担う部品の一つがプラテンです。本記事では、冷却用プラテンの役割や求められる品質、製作時の課題、当社の対応体制についてご紹介します。
半導体製造装置に使用されるプラテン基本的な役割

半導体製造装置におけるプラテンとは、半導体ウエハーや対象物を保持するための台座、またはテーブル状の部品を指します。装置内で対象物を安定して固定し、処理中の位置ずれや振動を抑える役割を持ちます。
プラテンは単なる受け台ではなく、装置や工程によって冷却、加熱などの機能を持つ場合があります。
処理中に発生する熱を逃がすための冷却用プラテンや、一定温度まで加熱するための加熱用プラテンなど、用途に応じた構造が採用されます。
半導体製造装置では、微細な位置ずれや温度変化が品質に影響することがあります。そのため、プラテンには高い寸法精度や平面精度に加え、装置全体の機能を安定させるための確実な加工品質が求められます。
半導体製造装置における冷却プラテンの用途
装置内部やワークの温度を安定させる
半導体製造装置では、CVDによる成膜では、方式に応じてヒーターやプラズマから基板と周辺部材に熱が加わります。冷却プラテンは、基板を載せるステージから熱を逃がし、成膜中の温度上昇や温度むらを抑えるために使用されます。基板を適切な温度に保つことは、安定した成膜につながります。
冷却用プラテンは、こうした熱を効率よく除去し、装置内部やワークの温度上昇を抑えるために使用されます。
温度条件が不安定になると、対象物の処理品質に影響が出る場合があります。特に連続運転を行う装置では、時間の経過とともに熱が蓄積し、温度変化が大きくなることがあります。そのため、冷却用プラテンには安定した冷却性能と、長時間の使用でも性能を維持できる構造が求められます。
内部流路に冷却ガスを循環させる構造
冷却用プラテンでは、金属内部に冷却ガスを流すための流路を設けます。一般的には、プラテンの側面などから深穴を加工し、複数の穴を内部で接続することで冷却流路を形成します。
冷却ガスは入口からプラテン内部へ入り、内部流路を通過しながらプラテンに蓄積した熱を回収します。その後、出口から排出され、装置全体の温度管理に利用されます。
このような内部流路は外観から確認しにくいため、設計通りに穴が加工されているか、交差穴が正確につながっているか、流路にバリや切りくずが残っていないかが重要になります。
冷却用プラテンに求められる品質
高い寸法精度と平面精度
冷却用プラテンは、装置本体や周辺部品と組み合わせて使用されるため、高い寸法精度が求められます。取付穴や位置決め穴の精度が不十分な場合、装置への組み付け時に位置ずれが発生し、周辺部品との干渉や機能不良につながることがあります。
また、ウエハーやワークを安定して保持するためには、接触面の平面精度も重要です。冷却面との接触が不均一になると、熱の伝わり方にばらつきが生じ、冷却性能に影響する可能性があります。
内部流路の位置精度
冷却用プラテンでは、外観から確認できない内部に流路を設けます。そのため、穴の曲がりや加工位置のずれを抑えることが重要です。特に小径で深い穴を加工する場合、加工深さが長くなるほど工具の振れや穴曲がりが発生しやすくなります。
内部流路の加工では、深穴の直進性、穴径の安定、交差穴との接続、工具の折損防止、切りくずの排出などが課題になります。穴がわずかに曲がるだけでも、交差穴とつながらなかったり、流路周辺の肉厚が不足したりする可能性があります。
このような不具合を防ぐためには、小径深穴加工の実績と、設計意図を理解した工程設計が欠かせません。
溶接部分の気密性
冷却用プラテンでは、流路の閉止や構成部品の接合に溶接を使用する場合があります。このとき重要になるのが、溶接部分から冷却水やガスが漏れない気密性です。
外観上は問題がないように見えても、溶接内部にピンホールや微細な欠陥が残っている場合があります。こうした欠陥は、使用中の冷却水漏れや圧力低下の原因になるため、加工後の検査が重要です。
特に半導体製造装置用部品では、安定した装置稼働を支えるために、目視だけではなく、リークチェックによる客観的な確認が求められます。
清浄性と異物対策
半導体製造装置に使用される部品では、清浄性も重要な品質要素です。冷却流路内部に切りくずやバリが残っていると、冷却水の流れを妨げるだけでなく、装置内で異物として問題になる可能性があります。
また、加工油や洗浄液が残留すると、後工程や装置使用時に影響を与える場合があります。そのため、加工後には流路内部の切りくず除去、バリ取り、洗浄、エアブローなどを適切に行うことが重要です。
冷却性能だけでなく、異物混入リスクを抑えることも、半導体製造装置用プラテンに求められる品質の一つです。
当社では、ファイバースコープカメラを使用し、異物や切り粉がないか等の確認まで実施をしております。
半導体製造装置用プラテンの製作会社を選ぶポイント
小径深穴加工に対応できるか
冷却用プラテンの製作会社を選ぶ際は、小径深穴加工に対応できるかを確認することが重要です。単に穴径だけではなく、対応可能な穴径、最大加工深さ、アスペクト比、穴の直進性、交差穴加工の実績などを確認するとよいでしょう。
内部流路は外観から見えないため、加工実績や工程管理の有無が品質に直結します。
マシニング加工から溶接まで対応できるか
マシニング加工と溶接を一貫して行える会社であれば、加工基準や流路位置を共有しやすくなります。また、溶接後の変形を考慮した仕上げ加工も依頼しやすくなります。
工程ごとに外注先が分かれる場合と比較して、情報伝達のロスを抑えられる点も大きなメリットです。
溶接後のリークチェックに対応できるか
冷却用プラテンでは、溶接後のリークチェックに対応できるかも重要な選定ポイントです。「漏れがなかった」という判断だけでなく、どのような方法で検査したのか、測定値を確認できるのかが品質保証上の安心につながります。
特に半導体製造装置用部品では、客観的な数値によって気密性を確認できる体制が求められます。
加工から検査まで一貫して管理できるか
加工、深穴加工、溶接、仕上げ、寸法検査、リークチェックまで一貫して管理できる会社であれば、工程間の連携が取りやすくなります。図面変更や仕様変更が発生した場合でも、社内で情報共有しながら対応しやすい点がメリットです。
冷却用プラテンのように複数の工程が品質に関わる部品では、一貫管理体制の有無が発注先選定の重要な基準になります。
当社の半導体製造装置用プラテン製作の特徴
φ6mm・深さ240mmの小径深穴加工に対応
当社では、φ6mm・深さ240mm、アスペクト比40倍の小径深穴加工に対応しています。冷却用プラテンの内部流路など、穴径に対して加工深さが長い部品についても、マシニング加工と深穴加工を組み合わせた製作が可能です。
φ6mm、深さ240mm、アスペクト比40倍という具体的な加工実績は、冷却用プラテン製作における当社の大きな特徴です。小径深穴加工が必要なプラテン 半導体部品においても、設計された流路を成立させるための加工対応が可能です。
マシニング加工・深穴加工・溶接まで一貫対応
当社では、プラテン本体のマシニング加工に加え、内部流路を形成する小径深穴加工、流路閉止部などの溶接まで一貫して対応しています。
工程間の基準や加工情報を社内で共有できるため、複数の加工会社へ発注する手間を削減できます。また、深穴加工後の溶接や、溶接後の仕上げ加工まで考慮した工程設計により、品質の安定化にもつながります。
溶接後のリークチェックを社内で実施
当社では、溶接後のプラテンに対して、ヘリウムガスを利用したリークディテクターによるチェックを社内で実施しています。目視だけで良否を判断するのではなく、測定したリーク量を数値で確認することで、冷却流路や溶接部分の気密性を客観的に評価します。
冷却水を循環させるプラテンでは、微細な漏れも装置トラブルにつながる可能性があります。そのため、加工後にリークチェックを行い、気密性を数値で確認できる体制は、当社の大きな強みです。
加工から気密検査まで社内で品質管理
当社では、マシニング加工、小径深穴加工、溶接、仕上げ加工、リークチェックまで、冷却用プラテンの製作に必要な工程をまとめて対応できます。
単に「一貫対応できる」だけでなく、加工後にリークディテクターで測定し、気密性を数値で確認できる点が特徴です。加工精度、溶接品質、検査体制を社内で管理することで、半導体製造装置用プラテンに求められる品質確保に貢献します。
まとめ
今回は、半導体製造装置の冷却用途に使用されるプラテンの役割や求められる品質、製作工程、製作会社を選ぶポイント、そして当社の特徴についてご紹介しました。
冷却用プラテンは、装置内部やワークの温度を安定させる重要部品であり、内部流路の小径深穴加工、溶接部の気密性、仕上げ後の寸法精度、リークチェックまで含めた総合的な品質管理が求められます。冷却用プラテンや半導体部品の製作でお困りの方はお気軽にご相談ください。





