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微細加工技術コラム

エンジニアリングプラスチックへの微細加工

エンジニアリングプラスチックは、様々な用途で使用される高機能な樹脂の事を指しますが、スミカスーパーやトップファインといった、常用使用温度が260℃程度のものは、主に電子部品業界における、半導体(BGA・CSP)製造治具・検査治具、あるいはIC検査コネクター、またIC・ウエハプロセス治具に使用されています。これらのほか、スリーブ・ローラーなどの用途でも採用されることがあります。

このうちスミカスーパーは、電子部品業界における幅広い用途で採用されているエンジニアリングプラスチックであり、温度特性が良いということが一番の特徴であり、熱に弱いという本質的なプラスチックの性質を改善しているエンジニアリングプラスチックです。他に強度・耐熱・機械的強度・絶縁性も他の樹脂に比較して高いという特性を持たせていることから、半導体や電子関連で厳しい温度環境で使用される治具などに適しています。

このスミカスーパーは、切削加工性が高いので微細加工にも適した素材といえます。ただし、プラスチックには切削加工や微細加工を行った際に素材特有のバリが発生しやすい、という側面もあります。こうした問題を解決するために開発されたのがトップファインとされています。トップファインもスミカスーパーと同様に切削加工性に優れていますが、例えば微細穴加工時のバリの発生も極めて少なく、かつ線膨張係数が低いという特性を持っているので温度による収縮が小さいというのが特徴です。ただし、他のエンジニアリングプラスチックに比較して組成上伸びが少なく、欠けやすいという特徴があります。また入手性においても、スミカスーパーは前述のとおり電子・半導体の分野以外にも幅広い用途で採用されるため流通量が多く入手性が高いのですが、トップファインは用途も限定されており比較すると入手性は低いと言えます。しかし、微細加工において非常に重要な加工精度という側面において、両者には大きな差はありません。

なお、POMやポリカードネートなどもエンジニアリングプラスチックに属しており、もちろんスミカスーパー等と同様に微細加工が可能ですが、樹脂は材質によって出すことができる精度が異なるので材質選択にあたっては注意が必要です。このほか微細加工分野においては、耐熱温度150℃以上で長期間使用できる、スーパーエンジニアリングプラスチックが採用される傾向が高いといえます。

エンジニアリングプラスチックへの微細加工における微細加工事例